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「ネスカフェ プラン2030」、生産者の再生農法への移行が進む

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「ネスカフェ」ブランドは、初となる『Nescafé Plan 2030 Progress Report (pdf, 12Mb)』(「ネスカフェ プラン2030」進捗報告書)を6月6日に発行、再生農法を生産者が段階的に採用し収穫量が向上していることを発表しました。これは、「ネスカフェ」がレインフォレスト・アライアンスと共同で2018年から2022年にかけて実施した影響評価に基づくものであり、「ネスカフェ」がコーヒーを調達する14カ国7,000以上のコーヒー生産者が対象となっています。

直近に採用した手法として、間作、マルチング2、総合的な雑草管理があります。2022年は、再生農法に関する「ネスカフェ プラン2030」生産者研修を14カ国、10万人以上の生産者を対象に実施しました。さらに140万本の植樹を「ネスカフェ」に供給するコーヒー農園や周辺で実施、コーヒーの日照過多を防ぐ日陰をつくり、また生産者にとっては新たな収入源となっています。

コーヒー農園の収穫量向上には、コーヒーの木の再生が重要です。2022年、「ネスカフェ」ブランドは病気や干ばつに強い高収量のコーヒーの苗木を2,300万本配布し、コーヒー畑の再生、生産性の向上、農薬の使用減を支援しました。

ネスレS.A. コーヒーストラテジックビジネスユニット責任者 フィリップ・ナブラティルは、「『The Nescafé Plan 2030 Progress Report』は、コーヒー農業を長期的に持続可能とする再生農業の可能性を示すものです。ネスレは、コーヒー生産者によるこの移行を支援し、収穫量と収入を増やすために必要なノウハウとツールを提供し、また炭素排出量の削減にも貢献しています。」と述べました。

レインフォレスト・アライアンスによる評価対象である14カ国のコーヒー農家にとって、気候変動は最大の懸念事項です。次いで投入コストの高騰、原材料価格の下落が挙げられます。ほとんどの生産者が、「ネスカフェ プラン」の成功の主な理由は、恒常的な大量購買、現地での定期的な技術支援、市場へのアクセスだとしています。

ネスカフェ プラン2030」は、生産者がさらに持続可能な手法へと移行できるように資金援助スキームを試験導入しています。平均すると生産者が生計を立てるのに十分な収入を得ていない3カ国(コートジボワール、インドネシア、メキシコ)のコーヒー生産者約3,000人を対象として、先行導入しています。これらの先行導入には、再生農業への移行、コーヒー畑の再生に対して報酬を与える条件付きの奨励金や、気候変動の予期せぬ影響から生産者の収入を保証する天候保険制度などが含まれています。先行導入は現在も進行中ですが、「ネスカフェ」は有望な結果を得ており、また生産者からも強い関心が集まっています。

レインフォレスト・アライアンスのMonitoring and EvaluationマネジャーであるYustika Muharastri氏は、「レインフォレスト・アライアンスは、『ネスカフェ』チームと協力して、『ネスカフェ プラン』を通じた取り組みを監督・評価しています。一部の国では収入が向上し、雑草や害虫の総合管理などの重要な環境再生手法の採用が増加するなど、明るい傾向が見られます。我々の継続的な協働が、『ネスカフェ プラン』に価値ある洞察を提供し続け、そしてより多くのコーヒー生産者の生活を向上させるという『ネスカフェ』ブランドの長期的な目標を一層支援することを期待しています。」と述べました。

「ネスカフェ プラン2030」は、コーヒー生産者コミュニティの再生農業への移行や生活向上を支援する活動の進捗について、進捗報告書を毎年発行し、最新情報を提供することを目指しています。

関連資料(英語)  注釈
  1. 同じ畑で2種類以上の作物を同時に栽培すること。例えば、コーヒー農園で黒胡椒、唐辛子やバナナを栽培。
  2. 土壌の水分保持、温度調節のため、わら、樹皮や葉で土壌を覆うこと。
  3. 予防的、文化的、機械的、化学的な手法など、複数の雑草対策を統合したプログラム。